情報の洪水に溢れ、忙しい時間の中で生きる現代人
そんな時代を反映してか、仏教の教えというものが見直される機運があります。
本ブログでは、気軽に仏教に触れあえる場の1つとして、「四谷坊主バー」、「高円寺尼僧BAR」、「大坂坊主BAR」といった仏教系のBARを訪問しました。
しかしながら、気軽に仏教を感じる事のできるスペースは、BARに限った話ではありません。
お寺の敷地内で、昼間からゆったりとした時間を過ごせる「寺カフェ」というものも存在するのです。
東京都豊島区椎名町に、「赤門テラスなゆた」という寺カフェがあります。
目次
寺カフェ「赤門テラスなゆた」
★営業時間★
月~日 10:00~19:00
※火曜日定休
★料金体系★
※11:00~15:30は日替わりの「お寺ごはん」オーダー可
★Pick up MENU★
「なゆたオリジナルブレンドコーヒー」
「有機びわの葉茶」
「お寺ごはん」
「サンドイッチプレート」
★住所★
東京都豊島区長崎1-9-2 金剛院敷地内
寺カフェ「赤門テラスなゆた」への行き方
東京三大副都心の1つである「池袋駅」から、西武線に揺られて1駅です。
「椎名町駅」の北口を出てすぐのところに、金剛院という寺院があります。
「赤門テラスなゆた」は、この金剛院の境内にあります。
金剛院の赤門が目印になりますので、駅北口から出れば迷うことはないでしょう。
立て看板が置かれていたら、「なゆた」営業中の合図です。
まずは「なゆた」の由来から
ちょっとした豆知識として、カフェの店名でもある「なゆた」に触れておきましょう。
「なゆた」とはサンスクリット語の”nayuta”を音訳したものであり、「きわめて大きな数」という意味があります。
ちなみに、漢字文化圏においては10の72乗を示すという説や、10の60乗を示す説等がありますが、明確に統一されてはおりません。
この「なゆた」を店名に用いた理由には、「人として限りなく大きな存在であることを感じてほしい」という願いが込められているそうです。
そして、「なごんで」「ゆっくり」「たのしく」の頭文字も掛け合わされているということですね。
優しい日差しと「お寺ごはん」
「赤門テラスなゆた」店内は、温かい太陽の光が差し込む、明るいつくりになっています。
コーヒー1杯でも気軽に利用できますが、ランチタイムは「なゆた」特製の「お寺ごはん」がおススメです。
この「お寺ごはん」の内容は日替わりということですので、毎日のように通っても楽しめてしまいます。
というわけで、本日の「お寺ごはん」をオーダーしてみました。
こちらが、この日の主菜・副菜です。
野菜の種類が豊富で、栄養バランスがバッチリな感じですね。
揚げ物が魚のフライのようにも見えますが、これは高野豆腐を揚げたものでした。
野菜だけでは何となく食べたりなさを感じるかもしれませんが、この高野豆腐が加わることで、意外にもどっしりとしたボリューム感があります。
ここに、ふっくらとしたご飯と味噌汁がついてきます。
追加料金はかかりますが、ご飯を白米から玄米に替えることも可能です。
「赤門テラスなゆた」からは金剛院の庭が良く見えますので、小春日和の日などは、特にゆったりとしたランチが楽しめます。
金剛院を歩いてみます
ランチを済ました後、金剛院の境内を散策してみました。
「池袋駅」から1駅だけという都心にもかかわらず、金剛院境内は非常に落ち着いた雰囲気です。
案内看板から、真言宗豊山派の寺院であることや1522年の創建である事がわかります。
そして、現代のIT技術も積極的に取り入れているのが金剛院です。
スマートフォンのアプリで境内のQRコードを読み取ると、様々な仕掛けを楽しむことが出来るようになっています。
伝統を残しつつも、時代の要請に合わせて変わっていく寺院の形を実感します。
「マンガ地蔵」の視線の先には?
真言宗豊山派といえば、弘法大師が祖師なのですが、やはり金剛院境内にも弘法大師像が祀られています。
この弘法大師像ですが、ちょうど「赤門テラスなゆた」の方を向いて立っているんですね。
弘法大師が見守るカフェというのも、なかなか趣があります。
そして、弘法大師像の脇に「マンガ地蔵」という小さなお地蔵さんも立っています。
近づいてみると、「マンガ地蔵」は錫杖ではなくペンを右手に携えているのがわかります。
しかし、現地で実際に見るとわかるのですが、「マンガ地蔵」は弘法大師を見つめるでもなく、また「赤門テラスなゆた」を見守るでもなく、西の方角を向かって立っています。
どうして、こんな方角を向いて建てられたのでしょうか?
実は「マンガ地蔵」の見つめる先には、かつて「トキワ荘」というアパートが存在していたんです。
「トキワ荘」のあった椎名町
「トキワ荘」とは、手塚治虫先生を始め、藤子不二雄先生や石ノ森章太郎先生、赤塚不二夫先生といった漫画界の巨匠が住んでいたアパートです。
その当時の詳しい様子は、藤子不二雄A先生の自伝的漫画「まんが道」や「愛…しりそめし頃に…」といった作品に描かれています。
残念ながら、「トキワ荘」は老朽化のため、既に取り壊されてしまいました。
しかし豊島区では、「トキワ荘」跡地の近くに観光施設を設けるなどして、「漫画の聖地」として地域振興につなげる試みが行われています。
かつて、東京都豊島区南長崎に「トキワ荘」というアパートがありました。
四畳半の居室、トイレと台所は共同で風呂は無しという、「ザ・昭和スタイ...
金剛院も、そうした地域振興の取り組みを応援している施設の1つなんですね。
「赤門テラスなゆた」でランチを済ませた後、金剛院境内を散策し、さらに「漫画の聖地」に足を延ばしてみる休日などはいかがでしょうか?
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。