かつて、東京都豊島区南長崎に「トキワ荘」というアパートがありました。
四畳半の居室、トイレと台所は共同で風呂は無しという、「ザ・昭和スタイル」な木造アパートです。
しかしながら、この平凡なアパートは、ある分野で絶大な知名度を誇っています。
なぜなら「トキワ荘」は、手塚治虫先生を始め、藤子不二雄先生、石ノ森章太郎先生、赤塚不二夫先生といった漫画界の巨匠が住んでいたアパートだからです。
その「トキワ荘」での生活の様子は、藤子不二雄A先生の自伝的作品「まんが道」や「愛・・・しりそめし頃に・・・」で垣間見ることが出来ます。
残念ながら、「トキワ荘」は老朽化のため取り壊され、もう存在を留めてはおりません。
しかし、このまま記憶を風化させてしまうには、「トキワ荘」はあまりにも惜しい存在です。
そんな思いを募らせた有志に豊島区役所も加わり、南長崎地域を「漫画の聖地」として盛り上げていこうという運動が行われています。
その豊島区南長崎の「トキワ荘通り」を歩き、かつてアパートが建っていた「トキワ荘跡地」
そして、漫画界の巨匠たちが通ったと言われる中華料理店「松葉」と、豊島区が後押しする「トキワ荘通りお休み処」を訪ねてきました。
「トキワ荘跡地」
★住所★
東京都豊島区南長崎3-16-6
「トキワ荘跡地」への最寄り駅は、都営大江戸線「落合南長崎駅」か西武池袋線「椎名町駅」になります。
どちらからも同じくらいの距離になり、徒歩で15分ほどです。
どちらかと言えば「落合南長崎駅」から「目白通り」を歩いてきて、「トキワ荘通り」と名付けられた商店街に入るルートがわかりやすいかもしれません。
実のところ「トキワ荘跡地」には、こじんまりとしたモニュメントが置かれているだけで、他に何があるというわけでもないんですね。
ただ、実際にこの場所を訪れてみると、手塚マンガを読みふけっていたような人間には、色々と考えるものがあるのではないかと思います。
しばらくの間、物思いにふけった後で「トキワ荘通り」へと引き返し、「まんが道」の作品中で何度も登場した中華料理「松葉」へ向かいました。
中華料理「松葉」
★営業時間★
月~日 昼11:00~15:00 夜16:00~21:00
※不定休
★Pick up MENU★
「ラーメン」 ¥500
「ワンタンメン」 ¥600
「トキワ荘ラーメンライス」 ¥700
「焼肉定食」 ¥700
★住所★
東京都豊島区3-4-11
巨匠が愛した街の中華料理屋
「トキワ荘通り」沿いに、中華料理「松葉」が看板を掲げています。
入口の扉には、「まんが道」のワンシーンが掲げられていて、藤子先生が食事をしていた場面を窺い知ることができます。
その時代の「松葉」の写真も貼られていました。
ラーメンが45円なんていう時代なんですよね。
「松葉」店内に入ってみると、どこにでもありそうな街の中華屋さんです。
こういうお店だからこそ、手塚先生が通っていたんでしょうね。
「トキワ荘ラーメンライス」を注文しました。
昨今は、「○○系」といったラーメンが大流行ですが、これは至って無難なラーメンです。
ただ、「無難な味だからこそ、食べ続けても飽きない」ってありますよね。
「松葉」のラーメンは、まさにそんなラーメンを体現したような味でした。
なお、お店の方に「私みたいに『まんが道』とか読んで来てみましたって人、多いんですか?」と聞いてみましたが、「そういう人も多くいらっしゃいますよ」とのお返事でした。
「それから、現役の漫画家の先生も来てくださいます」とのお言葉
店員さんの言葉の通り、メニューの上には来店された先生方のサインがビッシリ飾られていました。
どんな先生が来店しているのかについては、ぜひ現地で実際に確認してみてください。
「トキワ荘通りお休み処」
★営業時間★
火~日 10:00~18:00(4月~9月)
火~日 10:00~17:00(10月~3月)
※月曜日定休
★住所★
東京都豊島区2-3-2
「トキワ荘」の部屋が再現された「お休み処」
「松葉」を出て「トキワ荘通り」を歩いていくとピンク色の看板が置かれています。
ここが豊島区が設置した「トキワ荘通りお休み処」です。
残念ながら、「1階部分の撮影はご遠慮ください」と言われてしまったので、簡単に文章で様子を記載しておきます。
1階には物販スペースと、「トキワ荘」に住んでいた先生たちの作品が読める閲覧スペースがあります。
この閲覧スペースの在庫が膨大で、1カ月くらい通い詰めても、読み終わる事は不可能ではないかと思うくらいの量です。
その蔵書については、ぜひ実際に現地を見てもらいたいと思います。
「トキワ荘のあったまち」南長崎、通称トキワ荘通りの休憩・案内施設です。トキワ荘のマンガ家作品の閲覧や寺田ヒロオの部屋の再現、トキワ荘関連グッズの紹介など。
このお休み処にも、多くの漫画家の先生が訪れているらしく、壁にはビッシリとサインが飾られていました。
自分が知っている中では、「ろくでなしブルース」「ルーキーズ」の森田まさのり先生のものなどが確認できましたね。
さて、2階に上ってみると、当時の「トキワ荘」の部屋の様子が再現されています。
これは寺田ヒロオ先生の部屋を再現したものだという事です。
「まんが道」で描かれていた通り、こんな感じの部屋で宴会をしていたのでしょうか?
ちなみに「トキワ荘通りお休み処」は、もともとお米屋さんの店舗だった建物を改装してつくられたようです。
この看板の通り、現在は「南長崎」ですが、かつては「椎名町」という住居表示だったことがわかりますね。
お土産に「チューダーあめ」を購入して、「トキワ荘通りお休み処」を後にしました。
「トキワ荘」をご存知の方であれば、「チューダー」は説明するまでもないと思いますが、これは焼酎をサイダーで割ったものですよね。
「まんが道」の作中では、何度も「チューダー」で乾杯するシーンが出てきています。
「トキワ荘通り」の周辺は、「まんが道」を感じる事ができる不思議な空間でした。
「トキワ荘通り」の近くには、こんなスポットもあります
情報の洪水に溢れ、忙しい時間の中で生きる現代人
そんな時代を反映してか、仏教の教えというものが見直される機運があります。
本ブログで...
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。